肉、野菜、魚、炭水化物

お砂糖とスパイスとなにか素敵なものなんかで出来てない人間

あいというには

先日、とあるバンドの解散前の最後のフェスの様子を見てきた。

ファンの方からしたら本当に失礼な話ではあるけども、わたしはそのバンドについてはバンド名と友人がカラオケで歌っていたという認識しかなく、友人が最後のフェス出演だからそのフェスを見に行くなら是非、というのとカラオケで聴いたその曲が気に入ったし、タイムテーブル的にも他の目当てのバンドと被ってなかったので見てみるかといった軽い気持ちだった。

フェスにはみっつのステージが用意されており、そのバンドはみっつのうち1番ちいさなステージのトリを任されていた。

丁度陽が落ちた頃、彼らの演奏が始まった。夏の終わりの夕方、いつの間にか狙ったかのように雨がパラパラと降っていて、ステージの照明が滲んで全てが彼らの奏でる繊細な音楽と全てが幻想的でとっても美しくて、私の周りにいたファンの人たちは泣いていて、ステージの演出は派手なものは何ひとつないしMCも至ってシンプル、心を動かさせるような臭いセリフもひとつもないのに、気が付いたら泣いてしまっていた。曲は、友達が歌っていた数曲しか知らないようなとてもファンと呼ぶには値しないような存在であるというのに。

人の青春が終わる瞬間を見届けることが、こんなにも美しくて悲しいものなんだって、あまりにも切なくて泣いてしまった。

今まで何度も私自身も経験したはずなのにこればかりは慣れることが出来ない。救っていてくれていた存在が消えてしまう、どんなに悲しい事だろう。有り触れた事しか言えないけれど、もっと早くに聴いていれば良かった。たくさんのバンドを観てきたけれど、どのライブよりも美しくて悲しいライブだった。観た人は絶対忘れないで欲しいし、私自身もずっと忘れないように
最後に一番好きな曲を紹介して終わります。

 

「君なら何という 僕なら何という

誰かはあいという 今はまだわからない」

あいという  /plenty  より

 

 

 

あいという

あいという

  • plenty
  • ロック
  • ¥200